2024.01.24
法事とは法要とその後の
会食を含めた行事全般を指します。
法事では親族や近しい人々を招き、
僧侶に読経をあげていただいたあと、
食事を振る舞います。
法要のうち、初七日、四十九日、
一周忌、三回忌は法要のあとに
食事を設ける場合が多い傾向にあります。
法事が法要後の会食も含めた
行事全般を指す一方で、
ほうようは読経や焼香、
僧侶の説法を含む宗教的な儀式を言います。
もともと法要には、
僧侶が仏教の教えを広める目的があり、
現在では「忌日法要」と
年で考える「年忌法要」があります。
忌日法要は、亡くなった日を
起点に初七日から七七日(なななのか)まで
全7回とするのが一般的です。
七日単位で数えるのは、
インドの輪廻転生(りんねてんしょう)の
思想の影響によるものです。
年忌法要は、亡くなった年から
数え三回忌から三十三回忌までが
一般的で、その後は弔い上げを行います。
法要の種類を解説します。
法要は亡くなった日を1日目として考えます。
例えば、4月1日が命日の場合、初七日は4月7日となります。
亡くなってから初めて
行われる法要が「初七日」です。
最近では、葬儀当日に行う
ケースがほとんどで、
流れにより「繰り上げ初七日」と
「繰り込み初七日」があります。
繰り上げ初七日は、
「戻り初七日」ともいい、
火葬後にふたたび斎場(葬儀場)へ
戻り僧侶の読経と精進落としと呼ばれる会食をします。
親族やごく近しい知人のみで
行うのが一般的です。
一方、繰り込み初七日は
「式中初七日」ともいい、
葬儀・告別式の直後に行い、
その後出棺〜火葬を行います。
四十九日は、
故人が成仏できるか決まる
大切な日で忌明けを迎える日です。
「七七日ななしちにち」ともいい、
この日までに本位牌を用意します。
本位牌は開眼供養をして魂を入れ、
仮位牌はお焚き上げをしてもらいましょう。
忌明法要は三十五日で行われることもあります。
菩提寺に確認するとよいでしょう。
開眼法要とはモノにすぎない
「墓」や「位牌」に魂を入れる儀式をいいます。
「開眼供養」「入魂式」
「お性根入れ」とも呼び、
僧侶を招いて読経してもらいます。
お墓の開眼供養では、壇を作り供物をささげるのが一般的です。
納骨法要は忌明けに行うのが一般的でした。
最近では、お墓が
決まっていないなどの諸事情により、
百ヵ日ひゃっかにち法要や一周忌に執り行うケースも増えています。
一周忌の法要は、亡くなった日の
1年後に納骨法要も同時に行うケースが多いようです。
三回忌は、亡くなって
満二年の命日に行われる法要です。
回忌の数え方は、
亡くなった日が一回忌になるため、
1年後が二回忌、3年後が三回忌となります。
一般的に、三回忌までの法事は
盛大に行う傾向にあります。
三回忌の法事には、
一周忌に参列した方々を
招く習慣がありましたが、
最近では家族のみで行う
法事も少なくありません。
その場合、お招きしない方へは
丁寧な対応を忘れないようにしましょう。
法事の流れを
三回忌の法事を例にとり、
準備から解説します。
三回忌の法事では、
一周忌に参列された方をお招きし、
法要のあとは会食にも参加していただくのが通例です。
比較的大人数が予想されるため、
個別に準備するのは大変かもしれません。
その場合は、葬儀社に
依頼し準備する方法も検討してみましょう。
会場と日時を決める
回忌ごとの法要は命日に行うのが基本です。
とはいえ平日に一堂に会するとなると、
なかなか集まりづらいこともあるでしょう。
そのため日時を決める際、
平日の場合集まる人の都合を考え、
それ以前の土日を選ぶ傾向にあります。
また、法要と会食の場所については、
人数によって移動手段や時間などを考え、
同じ場所で行うか場所を移すかも重要なポイントです。
参列者や僧侶の都合もありますので、
会場と日程は早めに決めておき、
菩提寺へも連絡しておきましょう。
案内状を送る
日取りと会場が決まり次第、
案内状を手配します。
参加の有無が決まらないと、
会食や引き物の手配が進まないため
準備でき次第発送しましょう。
案内状には返信用はがきを同封し、
返信の期限を指定しておくと速やかに準備を進められます。
会食と引き出物を手配する
会食は、斎場(葬儀場)や
寺で振舞うこともあれば、
ホテルやレストランへ移動するケースもあります。
場所により仕出しの注文が
必要になる場合もあるため、注意が必要です。
また三回忌の法事では
会葬者は香典を持参します。
引き物は、2千円~1万円程度で、
世帯ごとに用意し、お茶やお菓子、
タオルなど持ち帰りやすい食料品や消耗品がおすすめです。
法事の流れは、地域や宗派により違いが見られます。
一般的な三回忌法要の流れを紹介します。ぜひ参考にしてください。
僧侶が入場して法要が始まります。
施主の挨拶は短いものでかまいません。
参列者へ向けて集まって頂いた感謝の意を込め
「これより〇〇の三回忌法要を行います」と伝えます。
施主は挨拶を終え席に着きます。
僧侶の読経が始まり焼香を促されますので、
故人と血縁の近い人から順に焼香します。
僧侶より法話があります。
法話とは仏教の教えを分かりやすく説いたものです。
故人と深いお付き合いのある菩提寺では、
故人との思い出話を話す場合もあります。
僧侶が退場するときに、
施主はお布施を切手盆(きってぼん)に置いて渡します。
僧侶が会食に参加しないときは、
御食事料も合わせて用意しましょう。
施主は会場に戻り、
挨拶の言葉を伝えて法要は終わります。
この後に会食を用意しているときは、
会食の場所を促し、会食の予定がない場合は
ここで法要が終わり散会すると伝えましょう。
法要のあと、会食では精進料理を
出すのが本来の習わしです。
レストランを利用したり、
寺や自宅へデリバリーを頼んだりする
場合もできるだけ精進料理に近いイメージのメニューにしましょう。
施主は会食が終わるころを見計らって、
参列者に引き出物を渡していきます。
法事に招かれ際には、
香典を持参し、施主や遺族への挨拶を行います。
「お招きいただきありがとうございます。
ご一緒にご供養させていただきます」と一言添えます。
香典の金額は、1万円〜3万円が相場です。
表書きは宗派によって異なりますが、
四十九日までが「御霊前」、
四十九日以降は「御仏前」が一般的です。
なお、浄土真宗では「御霊前」は用いません。
四十九日までは薄墨で書き、
それ以降は濃墨で書きましょう。
また、かならず袱紗ふくさにつつんで持参し、
渡す際は袱紗に香典を載せて渡します。
やむを得ず法事を欠席するときは
法事の案内状に返事を書く際、余白に一言添えましょう。
もしくは返信はがきとは別に、
お詫びの手紙を送るとより丁寧になります。
法事とは葬儀の延長線にある正式な席です。
法事を行う人も、法事に招かれる人も
マナーを心得た服装で参列したいものです。
案内状に「平服でお越しください」とあっても、
普段着で参列しないようにしましょう。
法事では略喪服を平服といいます。
逆にかしこまりすぎて、参列者が
正喪服を着るとかえって失礼になるため気を付けましょう。
初七日の法事
喪主・遺族、親族は正喪服か準喪服を着用し、参列者は準喪服を着用する
四十九日の法事
喪主・遺族、親族は正喪服か準喪服を着用し、参列者は準喪服を着用する
百ヵ日の法事
遺族と近親者のみで行うのがほとんどのため、ダークスーツなど略喪服を着用する
一周忌の法事
喪主・遺族は準喪服、参列者も準喪服を着用する
三回忌の法事
喪主・親族は準喪服を着ますが、参列者はダークスーツなど略喪服でもよい
法事は、法要とその後の会食を
含めた儀式のことを指します。
法要は、宗教的な儀式そのものを
指すという点で異なります。
万が一の場合に備えて、
法事の流れやマナー、
服装などをしっかりと押さえておきましょう。